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2008年セレクトセール1日目、2日目雑感

2008年7月15日 yuta | | コメント(0) | トラックバック(0) | はてブに追加 2008年セレクトセール1日目、2日目雑感

昨日は仕事で見られなかったが、今日は夜間立ち会いのためセレクトセールを昼から見ている。というわけで1日目と2日目のちょろっと感想めいたものを。馬体はよくわかんないけどねー。詳細な個々の馬へのコメントはsouthendさんのところが異常に熱いので要チェック。

1日目

68:ブルーアヴェニューの2007(牡・父アグネスタキオン)

※近藤氏が落札で24500万円。初日の最高値。流石に品のある馬体だが、実はこの母で初のSS系種牡馬。ここまでクロフネの全弟妹ばかりだった。配合の相性がそういう意味では未知数なのが期待半分怖さ半分といったところ。ただクロフネが突然変異的な馬なだけに、個人的にこういうタイプの全弟は出す気にならない。まあ妥当な最高値といったところか。

22:ファーザの2007(メス・父ブライアンズタイム)

※フリオーソの全弟を5000万円でノーザンファームが落札。すでにダート型にシフトしているブライアンズタイム産駒であることを考えると、牝馬を買うのは普通の馬主には微妙だが、ノーザンファームだけに繁殖込みでこの値段ということなのだろう。

27:シルクプリマドンナの2007(牡・父アグネスタキオン)

※全体的にアグネスタキオン産駒はキチンと値がついている印象だが、ここでPatinack Farmが6400万円で落札。上が父SS系*母BT系は微妙に良さを殺し合う印象で、上が走らなかったも嫌われたか。Patinack Farmはこちらで紹介されている、オーストラリアの炭坑スーパー金持ち。

77:エイプリルヒロインの2007(牡・父グラスワンダー)

※1歳馬唯一のグラス産駒。めっきりセレクトセールに出なくなってしまったなあ。毎年1頭は重賞級が出てはいるのだけど。いかにもグラスっぽい丸っこい馬体。イマイチグラスの走る馬のパターンはわからないが。結果は金子氏が落札キタ━━━(゚∀゚)━━━!!!!!これが当たりであって欲しい。NT*SSと重ねられた母系も悪くないし、来年に期待。

2日目

242:ビワハイジの2008(牡・父ディープインパクト)

※2日目最高価格馬。22000万円で島川氏(トーセン)が落札。血統背景は当然、馬自体も皮膚の薄さを感じさせる品のある馬体でこの評価もまあ納得。とはいえ、いまさらこの血統にお金を出すのはなあとは思うところで落札したのも島川氏か・・・。しかしセール後のインタビューでの島川氏のやる気のNASAには吹いた。トーセンの黒歴史はやっぱりスタッフのせいなんだろうなあ・・・。

338:ロゼダンジュの2008(牡・父クロフネ)

※多田信尊氏で13500万円。確かに台形型でクロフネの走る形には見えるが、親父のフレンチデピュティに格の違いを見せつけられている春のG1戦線を見てると、いかに薔薇一族といえども、ちょっと高すぎる印象。9000万円くらいが妥当だったんじゃないだろうか。まあでも確実にオープンまで行きそうではある。そのレベルを求めるかは別として。

287:スプリットザナイトの2008(牡:父ディープインパクト)

※ああ、これは良い馬だ。黒光りしてるのを抜きにしても綺麗に見える馬体だし、アドマイヤモナークの下で母親はトニービン*Danzigという血統もかなりハアハアする。近藤氏が12500万円で落札となったが、これは良い買い物。兄への思い入れも含めて、これは近藤氏が金を出すだけの価値がある馬。納得。

319:タニノシスターの2008(メス・父タニノギムレット)

※ダーレーが10500万円で落札。普通に考えたら安定Cなタニノギムレットで全弟妹を買うのは躊躇われるが、繁殖価値&金持ちの格が違うダーレーならアリってことなのだろう。とりあえず今のままでは日本では走れないので、2年後までにルールが変わることを期待。まあ現役では走るとは思えないけど。

285:エアトゥーレの2008(牡・父ディープインパクト)

※血統だけ考えれば今年の皐月賞馬の下だけにもっとあがるかと思ったが、エアの馬主が10000万円で落札。ちょっとモッサリして見えるところが、嫌われたか。値段的にはお買い得だった印象ではある。

217:ピンクパピヨンの2008(牡・父キングカメハメハ)

※金子氏が7500万円で落札。今年はキングカメハメハは全然値段が伸びなかったが、その中で7500万は上々か。父に思い入れがあるであろう金子氏的には納得の買い物だったのではないか。

248:ジェミードレスの2008(牡・父ディープインパクト)

※相変わらず金子氏のお買い物の巧さが目立つ1頭。ディープインパクト*トニービンは普通に考えれば相性がよい配合。これが7000万円なのだから、良いところを狙ってくるなあという感想。馬もスッキリしてて綺麗に見えるよね。

324:フリートレガッタの2008(牡・父ホワイトマズル)

※兄にスナークスズラン(ダンシングブレーヴ)がいる血統。1000万円でノーザンファームが落札したが、これは欲しかったなあ。一見スピードが足りなそうだが、上は1200で結果を出しているようにこの血統は距離よりペース。あー欲しい。

2日目までの雑感

初日は辛い成績。翌日にディープインパクトが控えて、そこまで目玉の馬がいなかったからというのもあるだろうが、不景気の影響が如実に出ていた印象。売却率が7割切ってしまったのも厳しい。日本では1歳馬セールがイマイチ弱いが、景気がそこに直撃してしまったか。一方2日目は上々。売却率では75%超えと去年をも超えるパーセンテージで、総額も去年よりは減ったが、妥当な線。トレンドをみるともう完全にアグネスタキオン、ディープインパクト、そして社台系が圧倒していたのが印象的。基本的にSouthendさんも書いているように、億を出せるのは社台ノーザンと引退後も考慮を入れたやりとりが出来る馬主に限られているために起きる現象と言うことなのだろう。ダンス産駒に平気で億を出していた正気の沙汰ではない市場も懐かしいが、ディープインパクトの初仔が1億円前後でやりとりされる市場はまあそれなりに妥当ということか。それとキングカメハメハとネオユニヴァースの産駒に厳しかったのも目立った。ここまで初仔のダッシュがそれほどでもないだけに、金を入れるのは怖いと言うことなのだろうか。とりあえず宝くじあたって、買うとしたら高額馬でスプリットザナイトの2008、趣味でエイプリルヒロインの2007、穴でフリートレガッタの2008かな。ていうかリアルにフリートレガッタは欲しいw がんばれば買えそうな値段なだけにw 3日目は気が向いたら書きますよ。

ポストSS時代と武豊の苦悩

2008年4月30日 yuta | | コメント(0) | トラックバック(0) | はてブに追加 ポストSS時代と武豊の苦悩

今年の皐月賞で見せつけられた厳しさ。ひとつはマイネルのクラシック制覇への道のりだったが、もう一つ全く別の意味で、厳しい立場を見せつけられたのが武豊である。今回も抜けた馬に乗れなかった武豊は今までのSS黄金時代のような「その馬の能力のベストを尽くせば勝てる」時代が終わったことを、まざまざと感じさせられたのではないだろうか。

今回のブラックシェルの騎乗は「マイネルチャールズの能力を出し切らせない」ことに関して言えば満点に近い騎乗だったといえる。だが一方でブラックシェルのベストを出し切るということに関しては対応しきれなかった。本来クロフネ産駒は自分のペースで伸び伸び走らせて、はじめて力を出し切れる。いわば弥生賞で見せたような競馬である。だが同時にその弥生賞において、この馬の能力を出し切るだけでは皐月賞は勝てないという思いを武豊は強くしたのではないだろうか。結果として、皐月賞においては「マイネルチャールズの能力を出し切らせない」意識から、本来のブラックシェルのスムーズな競馬を犠牲にしてしまった。これは、今までのような「そのレースで一番強い馬」に乗っていた、もしくはSS産駒が多数出ているレースのような「自分の馬の能力を出し切る」イコール「レースを自分の馬の能力を出す流れ」であった競馬では起こりえなかった崩れである。ここに武豊の苦悩がある。

「他馬に能力を出し切らせない」と「自分の馬の能力を出し切る」のバランスは非常に難しい。そしてそのバランス力はG1で「一番強い馬」に乗ることではなく、「ちょっと力の劣った馬」に乗ることで鍛えられる力だ。これは「強い馬に乗ってレースをコントロールする力」とはまた違う。現役でいえばアンカツ、引退した騎手でいえば的場均が圧倒的に誇っていた能力である。SS黄金時代においては「自分の馬の能力を出し切る」イコール「SS産駒の流れで競馬をする」であったがために、多少力が劣る馬に乗っても「SS産駒の力を出し切る」圧倒的な技術力を持っていた武豊にはそのバランスは大きな問題ではなかった。

だがポストSS時代となり、レースの流れと自分の能力がフィットする馬が勝ち馬となる時代が戻ってきた、そして各馬の適性がバラバラになった時代となった結果、このバランス力はG1において大きくモノをいうようになってきた。そしてこのバランス力はG1において目標にされる騎手ほど発揮するのが難しい能力である。これまでずっと「そのレースで一番強い馬」に乗り続けてきた武豊が、自らが目標とされる中で、そのバランス力をG1で発揮するのは非常に困難な道のりであるといえよう。HP内でも「なにか」を求めてしまうことを吐露する武豊の苦悩の日々はまだまだ続くのではないだろうか。

トライアル前に牡馬クラシック路線を展望してみる

2008年2月20日 yuta | | コメント(0) | トラックバック(0) | はてブに追加 トライアル前に牡馬クラシック路線を展望してみる

去年後半に2歳戦をしっかりみていなかったこともあるのだけれど、イマイチ今年の牡馬クラシック路線が見えてこない。馬インフルエンザによる影響もあるのだろうが、今の時点で何が皐月賞で一番人気かもわからないというのは何とも戦国クラシックすぎ。というわけで、個人的な復習がてら、牡馬クラシック路線を考察してみる。

本賞金TOP10と気になる馬

上位から順にゴスホークケン、ドリームシグナル、レッツゴーキリシマ、マイネルチャールズ、キャプテントゥーレ、マルブツイースター、レインボーペガサス、ショウナンアルバ、サブジェクト。どの馬も一長一短という感じでなんとも。さらに広げると気になるのはタケミカヅチ、スマイルジャック、フサイチアソート、サダムイダテン、ファビラスボーイあたり。1勝馬まで含めればアーネストリー、サイレントフォースあたりか?

とりあえず短評

ゴスホークケンはマイル路線とのことなので保留。自分のペースでいければのタイプだけにクラシックとなると疑問符か。ドリームシグナルはシンザン記念の勝ちっぷりは鮮やかだが、ハマらないと厳しいタイプ。父親と一緒でマイル~2000くらいまでがピッタリの印象。皐月賞は小回りで自分の競馬には持ち込めない予感がする。レッツゴーキリシマはダービーよりは皐月賞向き。内枠でロスのない競馬ができれば2着はありそう。ただ2400となると折り合いに難があり。マイネルチャールズシブとい末脚と根性は魅力だがクラシックで用なしは相変わらずのマイネル馬。京成杯はイメージにぴったりすぎる勝利なだけに逆にクラシックは遠ざかったような気がしてしまう。キャプテントゥーレは良血っぽいひ弱さを感じてしまうのは先入観?マイルくらいまでの印象。マルブツイースターは距離不安。レインボーペガサスは皐月賞では芝の状態によっては候補に。ただ若干パワーに寄りすぎてる感は否めない。サブジェクトはラジオNIKKEI賞が上手く行き過ぎただけな感じ。タケミカヅチはダービーで面白そうな1頭。頭まではちょっと想像つかないが。スマイルジャックもダービー向き。ただ毎回力を出し切る割には弾けきれず掲示板までといった印象。フサイチアソートはよくわからない。サダムイダテンは共同通信杯の敗因がわからないが、皐月賞やダービーに向くタイプとは思えない。むしろNHKマイルCは狙いたい。サイレントフォースは藤澤だからなあ。さてあえてコメントを飛ばした3頭が今ところ管理人のお気に入り。

アーネストリー

グラ基地と侮るなかれ。唯一のレースのデビュー戦は後のG1馬トールポピー、重賞勝ち馬ドリームシグナル、キャプテントゥーレを抑えての勝利。正直メンバーだけなら相当なものだった。もちろんデビュー戦しか走っていないので、本質的な走りはわからない。だが内を抜けたとはいえ決め手は素晴らしいもの。今年のクラシック路線なら十分に間に合う。まずは復帰戦を取りこぼさないことだが期待は高まるばかり。ベストは皐月賞の舞台と思われるだけに出走をとにかく望む。

ファビラスボーイ

府中2400の申し子ともいえる血統。相手がまだ弱面だけにこれから強いところとぶつかってどうかだが、現在の賞金上位馬にダービーを意識させるだけの馬がみえてこないだけに、これからの成長力しだいでは期待が持てる。個人的には皐月賞はパスしてでも、ダービーに照準を合わせてもらいたい一頭。

ショウナンアルバ

共同通信杯のレースぶりが異常。あれだけ掛かっても勝ちきるのだから潜在能力は間違いなく一級品。ベアナックルばりの精神面の荒さが今後おさまるかどうかが勝負だが、うまく育てば皐月→ダービーを抜ける可能性がある馬ともいえる。何はともあれ調教師も頭を抱える気性面がどうなるか・・・。

まとめ

こう見ると皐月賞はともかくダービーはいまだ1勝馬でも勝負できそうな雰囲気。グラ基地としてはアーネストリーの大爆発を期待したいが、適性で言えば皐月賞かなといった感じ。母父が効いてくれればいいのだけれど。流れでみえてこない今年の牡馬クラシック路線だけに、ひとつひとつのレースをじっくり眺めた上で適性&調子がピッタリの馬を選べるかが勝負になってきそう。

ムーンにまつわるエトセトラ

2007年7月23日 yuta | | コメント(2) | トラックバック(1) | はてブに追加 ムーンにまつわるエトセトラ

アドマイヤムーン、トレードへ
話の続き<須田鷹雄の日常・非日常>
雑記(4) 釣られてみる<Racing Blog 2007>
もう決して若くはないつもりですが<傍観罪で終身刑>
更確認するほどの事でもないとはいえDREAM SCHEME
ついでに釣られておこう<血統の森+はてな>
移籍金40億円! アドマイヤムーンがゴドルフィンへ : 馬券日記 オケラセラ<昨日の風はどんなのだっけ?>
ゴドルフィンの「馬に関する腕」について。<殿下執務室2.0 β1>

みんな釣られまくり。さてまとまってないけれど、旬を逃したくないのでさっくりと反応をしてみる。要旨はRacing Blog 2007で述べられている総論には肯定も、方法論として最後のオチはやっぱり競馬ライターに絡むのも重要じゃない?というあたり。

気になったのはゆたゆた氏が語る日本競馬の「グランドデザインが描かれない」状況であるとか、「傍観罪で終身刑」のSouthend氏の「”この国の競馬”を舵取りする立場のJRA」という文言に内在しているらしいJRAへの期待であるとか、ちょっとア・プリオリに言葉を信じてないかい?という問題提起。
ゆたゆた氏とSouthend氏には、もっと開き直っていいんじゃないか、ストレートに書いていいんじゃないかと、若いんだからさあと。ディープインパクトが売られたってなにするものぞと。最後はオヤジの説教でした(笑)。

実際、JRAの舵取りなんてファン総体が指し示す所は絶対無視できないし、ファンが率先してどんどん先に行かないと競馬はどんどんおかしな事になりかねない。一介のライターに構ってるヒマはないよ、君たち!(Racing Blog 2007)

だからこそ、一介の競馬ライターに構いたくなるんじゃないかなと。ペンの力は結構大きなものがある。大ボケコンビが100円ライター程度の価値しかなかろうとも、ライターはライターであって機能的には高級ジッポと変わりないわけですよ(謎)。もっとも、G1馬の死亡を準公式リリースから1ヶ月以上遅れて伝える競馬マスコミなんてものをこれっぽちっも信じちゃいませんけど(笑)。(血統の森+はてな)

JRAが自らのエゴを封じてまで、競馬の未来のために動くなんていう夢物語は信じていませんが、Racing Blog 2007の後段にあるように「ファンの声」というか、世間の空気を読まないで施策を決めるようなことはしないんじゃないかなあと思っていたりはする。これは別にJRAに限ったことではなくて、前のエントリで書いたようなムーンは売れるけどディープは売れないよねみたいな馬主等の各プレイヤーなどに関しても。

思えばJRAは歴史が物語るように、とにかくゆっくりゆっくりと前進してきた。動きの速さという点も決断力という点でも褒められたところではないが、まあまあ各プレイヤーが納得のいくように、じわりじわりと制度改革をしてきたのがこの国の競馬。その中で重要なのはやっぱり世間の空気みたいなものだったのではないかなと。確かに地方競馬に到っては色々と遅すぎたとは思うが、如何せん競馬というよりはこの国の抱える持病のようなものではあるし。

そう考えると本気で全てが納得できるような青写真は描くことは歪みが生まれてできないのかもしれない。だがものすごく大きな夢物語は内に秘めて、各論各論をそのつど空気を醸成して調整するようにしていくことはできるんじゃないかなと。ノモケンは複雑すぎてわからないというかもしれないけど、世の中そんな簡単に一つ歯車とりかえたら上手くいくような単純な仕組みで動いているものなんて存在しないし、そこで絶望しているとしたらのはむしろノモケン若すぎるんじゃないのwと言い切ってしまおうw いやしてないと信じてるよw

で、空気を醸成するとなると、やっぱり三文ライターに絡むのも無駄ではないのでは。ちょっと前であれば、世論を作るのはイカれた競馬マスコミだけだったかもしれないけど、わざわざ向こうがこちらの土俵で文章垂れ流してるのだったら、ニ,三発殴ってやるのも一興。梅田望夫並に楽天的にweb2.0(笑)を信じる気持ちはないけれど、目的が空気を醸成するならば相性悪くはないんじゃない。momdoたん風にいえば「ライターはライターであって機能的には高級ジッポと変わりないわけですよ」って話。さあブロガー達よ、釣られるんだ!ととりあえず締めてみる。餌がマズすぎるという苦情は受け付けません。

ボクの競馬とセカイの競馬

2007年3月24日 yuta | | コメント(0) | トラックバック(1) | はてブに追加 ボクの競馬とセカイの競馬

最近流れについていってなかったので、ちょこっと駄文。だらだら長くなりそうなので、一行でまとめると岩手の件についても、JPNの水上氏のエントリにしても結局は競馬の持つ完結性の高さ、それに伴う無責任性の裏返しなんだろうなあと思ったという話。

呆れました<白線の内がわ>
感情論<みんなの予想を超えて@はてな>
GIに代わる新たな表記は、「JPNI、II、III」 : 馬い毎日<昨日の風はどんなのだっけ?>
海外競馬の識者って誰だろう<血統の森+はてな>


競馬は異様にそれぞれのプレイヤーが完結しすぎてるエンタメである。いわゆる競馬ファンについて考えてみよう。馬券購入者あくまで競馬(胴元)と勝負する。横にいる他人と勝負するわけではない(ように見える)。さらに競馬の奥深さゆえ、ファンの接し方はまちまち。予想するにしても十人十色であるし、スポーツとして楽しむならば馬券すらいらない。となると、他のスポーツと違って何かを全員で応援するということは基本的にありえない。当たり前だが「競馬ファン」という概念はあまりに広範すぎる。

予想家はその予想の方法を他人に批評される必要はない。予想家が集まったマスコミは当然予想のことしか頭にないので関係者を批評する精神などは持ち合わせていない。旧社関係者はマスコミにも批評、批判されない。お上が雇い主なので一般大衆の目を意識することはない。生産者の客は馬主。馬主は生産者から馬を買って関係者との世界で馬を走らせる。が、発言権は金次第。すべてのプレイヤーが自分の周りにいる人間にだけ関わればいい。つまり責任を取らなければならないのは半径3mだけ。だからこそ、水上氏のような言説が存在しえる。誰からも批判されることのない、責任を取ることを求められない競馬予想家として生きる水上氏。すべてが完結した世界で単に一瞬だけ耳障りの良い言説を主張すれば生きていける。だから平然と自分の価値観だけを信じて発言ができるのだろう。極めて狭い世界の中で生きていけてしまう。

しかしである。生きていけてしまうと書いたが、それは競馬というものが存在するだけで存在感のあったエンタメの少ない時代の話である。現代において競馬以外にも魅力的なものはいくらでもあるし、競馬でさえ地方、海外、中央がフラットに存在できる。そうなるとどう業界を売るかが問題となる。ここで普通業界と呼ばれるものにはある程度「お客様(財源)」は見えるものだ。しかし競馬の世界ではすべてのプレイヤーが「お客様(財源)」に見えてしまうところに不思議さがある。それゆえに生産者は競馬を農業でしかないと思ってるし、厩舎関係者は同業者に勝つことが財源だと考えている。確かに貴族のスポーツであるヨーロッパの競馬においてはこれはある程度当てはまる。しかしそれはこれだけ地方競馬がバンバン潰れてしまう今、日本においてそれは幻想であるのは自明だ。現代日本競馬において、すべての競馬の根底を支えているのは広義の「競馬ファン」である。馬券としてかもしれないし、ただのスポーツ観戦者としてかもしれない。しかし彼らが存在を許すから、競馬存在し、ゆえにそっぽを向かれたとき、競馬業界というのはあっというまに(特に競馬ファンの層が薄い地方競馬は)瓦解してしまう。

ところがいまだ競馬界には自己完結の中で生きていけるという幻想が消えない。確かに競馬は多様な価値観を許す奥深い存在である。だが多様な価値観はそれを支えるインフラなくしては存在しない。昔ならば共通の大きな物語を信じて、ただ存在するだけで競馬の価値が信じられた。存在しえた。だが、多様な価値観を認め合う現代ゆえに、多様な価値観を許す存在はそこに確かな(価値観の薄まった)インフラが必要とされる。そして競馬においてそれは「競馬ファン」しかありえない。ここでいう「競馬ファン」には「金を落とす存在」「文化的に評価する存在」として競馬に積極的に触れる人々だけを含むわけではない。興味はないけど競馬が存在してもいいよねという物言わぬ人々もすら含む。彼らを引き入れるためには自己完結の世界で生きていくわけには行かないのだ。競馬界を代表する立場の人間の暴力事件を「事のレベルが小さすぎる。第一あの程度で騒いだら、昭和50年代初期までの野球選手なんて・・・」などという発言をするということは、つまりそれは自己完結の世界の中で競馬がゆっくり息の根を止められることを肯定する発言である。もし競馬がなくなってもいいから、自己完結の世界の中で生きていたいというのなら仕方ない。しかし、だったら地方競馬がなくなることにどうこういう資格はないのだ。競馬がギャンブルが世間的に悪と言われることを背負いながらも、それでも競馬が存在することを世界に許されようとする武豊に比べて、あまりにも立場をわきまえない発言だ。プロのライターとして恥ずかしすぎる。

競馬がそこに存在するためには、もっともっと強度が必要だ。自己完結性の高さというものは競馬の面白さでありながら、アキレス腱となっている。いかにして自己完結性の副作用である無責任さから抜け出して、競馬が存在することを外に許されるかを問い続けられるかをを競馬に関わる人間は考えなければならない。

街をどう作るかということは、どのような共同幻想を抱ける街を作るかということ

2007年3月10日 yuta | | コメント(0) | トラックバック(0) | はてブに追加 街をどう作るかということは、どのような共同幻想を抱ける街を作るかということ

競馬はまだまだこんなイメージ<りあるの競馬日記>
競馬とパチンコの違い<血統の森>
先の記事への追記<りあるの競馬日記>
ないものを証明せよ<血統の森>
また追記<りあるの競馬日記>

りあるの競馬日記の主張

競馬に対するイメージは相変わらず悪いよ。彦根市長は競馬が悪いっていうんだったら、同じギャンブルであるパチンコも市から追い出せばいいのに。

血統の森+はてなの主張

そもそもパチンコは競馬として見做されていないよ。それにウインズを設置して欲しいなら、ギャンブル=悪という負のイメージを覆す悪魔の証明をするのではなくて、正の効果を主張すればいいんじゃないの

そもそも言及してるステージが違う

りある氏は単に競馬のイメージって悪いよね、相変わらずそれに対して議会ではイメージを変えるようなデータを示してくれないよね、パチンコだって実際はギャンブルなのに酷いや!ということを書いただけ。別に議会において賛成派がウインズを設置するための戦略については述べていない。だからmomdoたんはウインズ設置を認めさせたいのならば、イメージを変えるようなデータを提示するのは難しすぎるのだから、正の効果について訴えればいいじゃないという言及はたぶん届かない。ステージが違う。まあmomdoたんはわかってやってるんだろうけど、不親切というかタチが悪いよね、いつものことだけどw

ただ、りある氏が結局何が言いたかったのかなあという感覚を抱くというmomdoたんの感想はわからないでもない。りある氏のblog自体は前から読んでるので、この人の文章の癖のようなものなんだろうけど、「本人が最初に感じたこと+補強するためにデータを持ってきたり、引用する」でエントリが終わるんだよね。まああくまで「競馬日記」なんだから、別に自分の感覚を書きたいだけなんだ!って言われてしまえば、それまでなんだけど、何かを伝えるために文章を書いてるんだったら、自分の感覚を「他人に伝えたい主張」まで落とし込まないと、読んでる人は「何となくそれはわかるけど、何が言いたかったのかなあ」という思いを抱くと思われ。感覚を補強するデータじゃなくて、感覚から主張を導くためのデータを持ってこないと無駄。ぶっちゃけ大きなお世話なんだろうけど、りある氏の目の付け所とか、文章量を考えると何とも勿体無いことをしてるなあと思うので、突っ込んでみた。お前の文章だって、やたら長い上に意味わかんねーし、思い込みが多いよ!って言われたら何もいえないけど、まあ文章ってのは他人からは悪いところがわかるけど、本人にはわからないものだから仕方ないw

ところで市長の主張は本当に間違っているのか

りある氏は競馬が本当に悪だったらそのデータを持って来い!賛成派もデータ持って来い!と言ってるのだけれど、議会がデータで競馬が悪でないことを証明することはありえるのだろうか。そんなことはたぶん今後も起こりえない。なぜなら意味がないし、する必要もないから。反対派がなぜウインズを設置したがらないのかを考えればわかる。下世話な言い方をすれば、「ウインズってやーよね」って考える人に支持してもらう、それが彼らにとっての反対理由である。さらにいえば、「ウインズってやーよね」と考える人にとっても「本当にウインズが負の施設か」などということは関係ない。彼らのライフスタイルにとって、ウインズというものは必要のないものである。そして彼らはウインズとは悪いイメージをもっている。そんな彼らがウインズって実は悪影響はないらしいなんてことを知る必要はないし、知りたいとも思わない。どのような街を作るか(作ってくれる市長、議員を支持するか)ということは、いかに自分にとって居心地がいい、そして同じような共同幻想を抱いてくれる人が集まることの出来る街を作るかということである。そのときウインズの負の要素が誤解であるということを知る必要はない。むしろウインズは負であるという誤解を共にしてくれる人が彼らにとっての理解者であり、仲間である。

賛成派についても同様である。別にウインズが負の要素であることを証明する必要は別にない。なぜなら彼らにとってはウインズとは負の要素を考えても余りあるほどプラスの要素がある必要なものであるからだ。そしてプラスの要素を持つと考える人を増やすことが彼らにとって必要なことであり、そのためには「経済効果」という主張だけしていれば、基本的には問題ない。何故なら彼らにとっての目標は「競馬とは悪ではない」と主張することではなくて、ウインズによる経済効果に浴することであるからだ。競馬ファンなんて増えなくても、ウインズさえできればいいのだから、ウインズが出来るとこんないいことがあるよ!ということを経済効果を浴する可能性のある人々に主張すればいいだけである。まあ賛成派にまわる可能性がある人に負の効果の小ささを述べる戦略はあるだろうが、そんなことにデータを用意するくらいなら経済効果をデータで示すであろう。

このように考えたときに「場外馬券売り場の設置には毎度毎度反対するのに、パチンコ屋はどうなんだ」ということは矛盾でもなんでもないことに気づく。何故ならパチンコはすでにギャンブルではないというイメージ(と、法律を)得てしまっているからである。それが正しいのかなどということはどうでもいい。自分の街にパチンコ屋が出来ているということに対してアレルギーがない以上、それが例え誤解であっても競馬と結びつくことはありえない。パチンコがギャンブルではないという共同幻想が成立してしまっている以上、それをわざわざ潰すことは一般市民(地方議会)にとってはありえない。もちろん本質的にギャンブルなのだから、競馬と同様に国が規制すべきだという意見はたぶん正論で問題とするべきことではある。しかしそれはパチンコの悪影響とは?ギャンブルとは何か?という倫理的な問題に踏み込むわけで、市議会ごときがウインズ設置可否において問題となることではない。それがしたければ偉い人かJRAの中の人になるしかないw

以上のように、ウインズの設置可否の問題とパチンコのギャンブル性(もしくはギャンブルの問題性)は同一のステージで語るべきではない。それが混在してること、また議会でギャンブルの負の側面のデータが出てくるということはありえないのにそれを期待していることが、りある氏の先のエントリの問題点といえるのではないだろうか。そしてそれをイチイチ突っ込むmomdoたんは感じが悪いモヒカン族であり、それをネタに東浩紀の本から引っ張って長文を書くBrainSquallの中の人は暇人すぎ。

競走馬のノド鳴り(喘鳴症)に関するまとめ

2007年2月 4日 yuta | | コメント(0) | トラックバック(4) | はてブに追加 競走馬のノド鳴り(喘鳴症)に関するまとめ

以前から興味のあったノド鳴りについて、真剣に調べてみた。世間一般でノド鳴りと言われるものは獣医学上ではどのように分類されるのか。それぞれの病状はどのようなものなのか、その治療法などについてのエントリ。なお出典はJRA競走馬総合研究所の馬学辞典より。情報についても、基本的にはJRA競走馬総合研究所による知見を基にして書いている。

喘鳴症 (whistling)


馬が運動中、息を吸うときに「ひゅうひゅう」または「ぜいぜい」といった異常呼吸音を発する症状を指す。吸気時に、気管入口の軟骨を外側に開く筋肉を支配する神経の麻痺、あるいは呼吸器の感染症によって軟骨が開かなくなり、気道が狭くなることが原因である。左側の軟骨に発症する場合が多い(92~99.6 %)。遺伝するともいわれている。この病気は軽種馬に多く発症し、一般的に競走能力が減退するため、競走馬には重篤な病気である。異常呼吸音を発するようになると、数週間の経過で悪化することが多い。しかし、稀に大きな呼吸音を発しても苦しがらず、スピードにも全く影響のない症例もある。この病気は、安静時あるいはトレッドミルにおける運動時の内視鏡検査によって診断することができる。治療では気管入口の軟骨を外側に開いた状態で固定する手術(喉頭形成術)を実施する。同義語:のどなり(俗)

世間一般に言われるノド鳴りは喘鳴症とも言われる。端的に言えば、気道が狭くなることにより、競走能力が減退する上気道疾患のことだ。ただしこれはあくまで異常な呼吸音を発する疾患の「症状名」である。原因疾患には、代表的なものに喉頭片麻痺(LH)、軟口蓋背方変位(DDSP)、喉頭蓋の挙上(喉頭蓋エントラップメント・ELE)などが挙げられる。そのほかに口蓋咽頭弓の吻側変位、咽頭リンパ過形成(PLH)などもある。JRAの1歳の育成馬207頭の上気道の内視鏡検査では、咽頭リンパ過形成、喉頭片麻痺、軟口蓋の背方変位、喉頭蓋の形態異常、喉頭蓋の挙上の5所見すべてを保有している育成馬は全体の24.1%、以下、4所見 6.8%、3所見 9.7%、 2所見 21.3%、1所見 33.3%、全く保有していない育成馬 4.8%と、ほとんどの育成馬は呼吸器に何らかの内視鏡上の所見を抱えているという調査結果がある。関口氏も以前競走馬の6割は喉に疾患を抱えていると発言をしたことがあるように、競走馬と上気道疾患は切っても切れない関係があることがわかる。ここでは主に前半の3つについて詳しく調べてエントリに起こしてみたい。

特発性喉頭片麻痺または喘鳴症 (Idiopathic Laryngeal Hemiplegia,ILH)


呼吸の際、特異的な声門裂の狭窄音を発し、重症例では呼吸困難に陥ることもある。原因は、遺伝性疾患説、反回神経麻痺説および呼吸器感染起因説などがあり不明な点が多いが、実験的には反回神経を切断することで本症が再現される。診断は内視鏡検査により行えるが、軽度な例の場合は安静時内視鏡検査で確認できないことがあるので、このような場合にはトレッドミル走行時の内視鏡検査が有効である。既存の治療法には、声嚢摘出術、喉頭形成術、披裂軟骨切除術および喉頭部の神経再植法などがあり、最も効果が期待できるのが喉頭形成術である。本手術法の成功率は報告により異なるが、一般的には44~87%である。

主な罹患馬にダイワメジャー、ハーツクライ、ゴールドアリュールなどが挙げられる。喘鳴症の中で最も有名なものであり、喘鳴症といえばこの疾患を差すことも多い。神経の病気であり、反回喉頭神経が麻痺を起こすことによって発症する。乾いた感じ(乾性)の異常呼吸音で、一般的には“ヒューヒュー”という音で表現される。これは、披裂軟骨の小角突起(ほとんどが左側)が声門裂の方向へ倒れ声門裂を塞ぐために、ちょうど“フエ”のような形が声門裂の所にできた結果、息を吐くとき(呼気時)と吸うとき(吸気時)に音が発せられることに起因する。

症状の進行はG0~G4の5段階(G0は所見なし)で分類される。JRA購買馬におけ調査ではる1歳11月直の疾患保有率はG3:0.2%、G2:1%、G1:12%。G2までは競走成績に有意差は見られなかった。ただしG3以上については1996年キーンランドのSeptember Saleに出品された2歳サラブレッド427頭を対象とした調査において、G3以上の喉頭片麻痺に強い相関性が見られたという報告がある。

治療法は喉頭形成術(Tieback)と呼ばれる手術が一般的。これは麻痺してしまった筋肉の代わりに筋突起を輪状軟骨の尾側端へ手術用の糸で引っ張って固定してしまうものだ。内視鏡で咽頭の開き具合を見ながら、どれくらいで固定するのかを決めるが、軟骨はテコの原理で動くので非常にデリケートな技術を要する。さらに手術用の糸を引っ掛けるのは小さな軟骨のため、やり直すと割れてしまう一発勝負。そのため非常に難しい手術である。成功率は上記の通り44~87%とされているが、固定の仕方によって、元の能力をどれだけ出せるかは左右される。50~60%を維持するのはかなり期待できるが、70~80%となると非常に難しい。

手術時期についてはG2では咽頭に正常な筋肉が残っているため、病状が進行するとせっかく手術しても糸が緩んでしまう。競走能力との相関関係が認められるのもG3からということもあって、手術は筋肉が十分薄くなったG3から行われる。また若い馬は軟骨が柔らかいため、難しいという事情もある。術後は傷口さえ塞がれば復帰可能で即効性が期待できる。技術は非常に要するが、手術自体は単純ため10万円程度で可能だ。

ちなみに喉頭片麻痺はばんえい馬にも見られ、2歳時に33.3%,3歳時に48.7%が疾患しているという調査もある。

なお喘鳴症における俗説として「雨の日には好走する」というものがあるが、上記の説明を見ればわかるとおり、喘鳴症は神経麻痺によるものであり、粘膜の病気ではないため、湿度とは関係ないと言い切っていいだろう。実際、喉頭片麻痺の馬が5着以内に入ったレースを調べてみると、雨の日は11%(東京で雨の日は28%)というデータもある。

※術後の傷や粘膜の状態によっては、湿度が高いほうが調子がいいことはありえるとのこと。また弁が開きっぱなしになる分湿度があるほうが走りやすいという説も。ただし馬にもよるので、やはりノド鳴り=湿度高いと好走とはいえないようだ。

軟口蓋の背方変位 (Dorsal Displacement of Soft Palate, DDSP)


軟口蓋が喉頭蓋の背側に変位することにより気道を狭窄する疾患である。原因は明らかでなく、咽喉頭部の炎症、喉頭蓋形成不全、鼻孔の閉塞などが関与していると考えられている。比較的強調教時には異常呼吸音を発するものの、安静時や軽調教時には異常を認めないのが本症の特徴である。したがって、安静時内視鏡検査で確認されにくいため、補助的に内視鏡の先端で咽喉頭部を刺激し嚥下を誘発したり、両側の鼻孔を塞いだりして検査する。本疾病の確定診断には、トレッドミル走行時の内視鏡検査が推奨される。内科的治療法としては、抗炎症剤の投与、舌縛り、鼻バンドがあり、外科的治療法としては、口蓋帆切除術、胸骨甲状筋切除術、口蓋帆切除術と胸骨甲状筋切除術の併用、あるいはテフロンを用いた喉頭蓋の増大化などがある。

主な罹患馬にフィーユドゥレーヴが挙げられる。湿った感じ(湿性)の異常呼吸音で、“ゼロゼロ”あるいは“ゴロゴロ” という音で表現される。これは、喉頭蓋の上側(背方)に持ち上げられた軟口蓋の口蓋帆が、主に呼気時に揺れることにより湿性の音が発せられることに起因する。

症状の進行はG0~G3の4段階(G0は所見なし)で分類される。JRA購買馬におけ調査ではる1歳11月直の疾患保有率はG3:0.7%、G2:8%、G1:21%。競走成績における有意差はなかったが、G2以上の群とG1以下の群を比較すると、初出走までに要した日数がG2以上のほうが長い傾向が見られた。

治療に当たっては喘鳴症と違い、成長とともに良化する可能性が高いため、手術は積極的には行われない。コーネルカラーという馬具による矯正も可能。ただしこれは競馬ではつけられない。小島茂之厩舎のプークンが付けている模様。手術をする場合は、咽頭を引っ張る筋肉を切除するなどの、いくつかの方法があるが、いずれの方法も成功率は6-7割と考えられているとのこと。

喉頭蓋エントラップメント (Epiglottis Entrapment,E.E.)


競走馬での本疾病の発生率は、0.74~8%といわれている。喉頭蓋がエントラップメント(包み込む)されることにより呼気が披裂喉頭蓋ヒダにあたり、その結果異常呼吸音を呈する。慢性例では安静時内視鏡検査により診断が可能であるが、エントラップメントが間欠的である場合は、トレッドミル走行時の内視鏡検査が有効である。治療法は、喉頭蓋をエントラップした披裂喉頭蓋ヒダをEEカッター等により縦切開する方法が一般的であり、予後も良好である。

主な罹患馬にリンカーン、シーキングザパール、クリアエンデバー。喉頭蓋が肥大したヒダに覆われてしまうもの。

症状の進行はG0~G3の4段階(G0は所見なし)で分類される。JRA購買馬におけ調査ではる1歳11月直の疾患保有率はG3:0.2%、G2:3%、G1:11%。DDSP同様、競走成績における有意差はなかったが、G2以上の群とG1以下の群を比較すると、初出走までに要した日数がG2以上のほうが長い傾向が見られた。

喉頭蓋のヒダを切除する外科的手術(30分程度)が一般的。術後は良好なため、競走能力に影響を与えることは少ない。

まとめ

以上のように一口にノド鳴りといっても、その原因疾患には様々なものがある。上記はおもに上気道における所見であるが、これに加えて炎症性呼吸器疾患症候群 (Inflammatory Airway Disease,IAD)に総称される気管支炎、かぜなどの症状も呼吸時に音を鳴らす原因となりうる。ディープインパクトなどはイプラトロピウムを投与されたことを考えると、輸送のストレスなどにより、いわゆる気管支炎に近いものを患ったとも考えられる。うーむ、奥が深い。とりあえず全くの文系人間なりに大学で培った参考文献をまとめるという作戦でノド鳴りに当たってみた。したがって事実誤認など間違いは考えられるので、何か見つけた人は遠慮せず突っ込みお願いします。今後も新しい情報がわかり次第編集をかけていく予定。次やる気がおきたら屈腱炎に挑戦したい。

参考資料

馬学事典
育成馬の呼吸器疾患と内視鏡検査の必要性(PDF)
育成期における上気道所見と競走期パフォーマンスとの関連について(PDF)
喉頭片麻痺治療についての外科医の意見<馬医者修行日記>
Tieback for 喉頭片麻痺<馬医者修行日記>
コーネルカラーあるいはVet-Aire<馬医者修行日記>
DDSP軟口蓋背方変位の手術<馬医者修行日記>
上部気道の動的閉塞 2<馬医者修行日記>
2~3歳のばんえい競走馬の喉頭片麻痺と体型および性別との関係
DDSP?<とりカツ定食おかわり。>
イプラトロピウムについての質問に答えます<DREAM SCHEME>
◇競馬王2月号:城崎哲のサラブレッドパラダイム
ノド鳴りと天気の関係について<黒船雷電>

有馬記念回顧を見ながらの雑感、その2

2006年12月31日 yuta | | コメント(0) | トラックバック(0) | はてブに追加 有馬記念回顧を見ながらの雑感、その2

今更、有馬の入場者数<殿下執務室2.0 β1 >
(私論)改めて「ディープインパクト」を考える(2006.12.29)<KANKANの競馬ニュース>
俺の場合はマックイーンだったんだよ。<Megahorse>
三冠よ、矜持を持て。<うまさいと>
Dernier Impact:Mission Accomplie<あさ◎コラム>

やたら前回の有馬記念雑感のコメント欄が盛り上がってるので、紅白を見ながら、その後気になったことについて、徒然と。

入場者数の減少について

まず入場者については、やはり去年の悪夢があったのではないかというのは大きいかと。中山競馬場で11万人って、もう結構ギリギリの状況になるのは事実。去年より減ったといえども、あれだけのギュウギュウ詰めは正直観戦するにはよろしくない環境。加えてクリスマスイブとなれば、ディープにそれほど思いいれがない競馬ファンは足を控えるだろうし、よっぽど見たいと思う人でないと動かないと思うんですよね。正直自分も行くか、ちょっと迷ったくらいだった。結局意外と体調がよかったのと、引退式に誘われて、見に行ったけれど、減ったことをそれほど騒ぐことなのかなあというのは疑問なところ。殿下に同意とだけ言っとけば良いのかもしれないが。

売り上げの減少について

そもそも僕は競馬場に行くと馬券購入額は減少する。のでディープが出てるレースについては、それほど売り上げに購入してないw 何でこうなるかというと、これはホントに個人的なことなのだが、馬券対象として以上に、ある競走馬に肩入れすると冷静に予想ができなくなるのを自覚しているからだ。僕は競馬の魅力を強引に二つにわけると、スポーツ要素とギャンブル要素の両輪で成り立っていると考えている。これは単純に2つに分けられるものでは勿論ないのだが、どちらに重点をおいてみるかで競馬の捉え方は大きく変わってくるのは否めない。サラブレッド(と、その関係者)をアスリートと捕らえるとき、やはり「損得勘定を越えた何か」に突き動かされて競馬を見ることなる。それはサラブレッドの美しさかもしれないし、血統ロマンかもしれないし、関わる人間への感情かもしれないが、そのときリスクを超えた何かが介在しているの確かだ。そしてそのある意味狂気のようなものが、競馬がただのギャンブルという枠を超えて、支持される理由であるように思える。逆に競馬がギャンブルであるという点が、本来プレイヤーでないはずのファン(馬券購入者)を、傍観者としてでなく、当事者として、競馬の世界に引きずり込むことを可能とする。ただのスポーツとは異なる楽しさ、面白さ、残酷さを味あわせてくれるのだ。その2つがあるから競馬は面白いのである。

そう考えると、改めて果たしてディープインパクトから競馬に入ったミーハー、ライトファンを切り捨てていいものなのか。売り上げに貢献しなかったファンを、切り捨てるのは本当に競馬にとってよいことなのかという思いに駆られる。「馬券を買わないと本当の競馬は楽しめない」などという放言は認めてよいものなのか。別に馬券を買わないということ自体は決して悪ではない。色々なアプローチがあるから競馬は面白いのだ。馬券を買ってくれた方が、今後の競馬界に直接良い影響を与えてくれるだろう。だが、競馬を続けていくのに必要なのは売り上げだけではない。競馬の面白さを世間が理解し、競馬が在る事を、興味深いものだということを認めてもらうというのも、競馬を続けていくためには必要なことだろう。そのとき馬券を買わなくても、充分楽しめるというのは競馬にとって大きな武器であり、魅力ともなる。

もちろん競馬とて、売り上げをあげなければ、利益を出さなければ、続けていけないのは確かだ。その点に目を瞑り、競馬は文化だなどとのたまうつもりはない。ただ、今後もバブル期のように馬券の売り上げをひたすらに追い求めても、仕方ないという思いは隠せない。かつてのような巨額な売り上げは今後望むべくはないだろう。そのときに馬券以外のアプローチは競馬が存在するために必要であるし、またそのような別のアプローチから売り上げを利益をあげていくのが今後重要なことであるように思える。馬券を応援グッズ、記念品として買っても何も問題はない。むしろそのようなニーズが顕在化したということは競馬にはまだまだ金を落とさせる手段があるということを示しているだけである(換金されない分、JRAにはいいこと尽くめ)。馬券購入以外の手段で競馬にコミットさせる、お金を使わせるというのは今後競馬が続けるために、必要なテーマである。それは馬主資格の引き下げかもしれないし、サポーター制度かもしれないし、POGかもしれない。さまざまに模索していかなければならないだろう。

まだまだきっと僕にも知らない競馬の楽しみはあるに違いない。2007年もさまざまな形で競馬に関わって、盛り上げていきたいと思う。

有馬記念回顧を見ながらの雑感

2006年12月26日 yuta | | コメント(16) | トラックバック(1) | はてブに追加 有馬記念回顧を見ながらの雑感

ひとまず、有馬を回顧。<殿下執務室2.0 β1>
流れよ我が涙、と金子真人ホールディングスは言った<関内関外日記>
有馬記念<柏木集保 重賞レース回顧>
意外と空いてた有馬記念
馬は飛んだけどレースは普通<競馬サロン ◇ ケイバ茶論>
有馬記念でした<須田鷹雄の日常・非日常>
有馬記念回顧<ディープインパクトの強さの裏で・・・> - livedoor Blog(ブログ)<馬い毎日>
有馬記念回顧<中身は少々お粗末だった> 【競馬研究所@ブログ】

有馬記念はレース自体がお粗末だったのか?

どこもかしこも有馬記念は低レベルだった、ディープインパクト向きの競馬でつまらなかったという意見が出ているが、本当にそうなのだろうか。振り返るとアドマイヤメインから離れた後ろは確かにスローの競馬となった。しかしそれが本当にディープインパクトにとって良かったことなのか。

どうもその派手さから「自分から動いて早め先頭」という競馬が相手を負かしに行く競馬だと過度に幻想を抱いてる人が多いようだけど、それはあくまでコース設定やトラックバイアスによるものだということを忘れてはいけない。例えばもしこれが野芝の生え揃った京都競馬場で行われる菊花賞だったら、それは正しいと思う。だが、有馬記念というのは消耗戦になればなるほど、実力馬には有利なコースである。考えても見て欲しい。小回りの中山で淀みない流れの縦長の競馬になったら、ディープインパクトのようにスタミナに自信があり、息長く末脚を使える馬にとってはお得なことばかりである。少なくとも速い流れで彼より後ろから斬れる脚を使える馬はいるわけがない。前の馬は徐々に脱落していくから、したがって本当にスタミナに自信がある前の馬に脚を残させない程度に仕掛けどころを伺えばよいだけの話。馬群がばらけるから、仕掛ける位置も自由自在である。こんなに楽な競馬はない。

もし有馬記念に紛れがあるとすれば、それはスローの団子状態から3ハロンだけの競馬になった場合である。スローに流れれば直線の短さもあいまって、全馬脚を残すことができる。しかも団子状態になればディープのような脚質の馬は外を回さなければいけなくなる。しかも冬の中山非常に時計がかかる。末脚の絶対値が低くなれば、当然末脚勝負に差はつき辛くなる。もし前に強い馬がいれば(要するに去年のハーツクライ)その馬が残るチャンスは飛躍的に高まるのだ。加えて距離適性に劣るマイラーにも出番が出てくるため、後ろからマイル戦のような斬れ味で突っ込んでくる馬もいるかもしれない。斤量の軽い3歳馬や牝馬が凄い脚を使うかもしれない。冬の中山で行われる有馬記念でのスローの団子レースはディープにとって、決してお得意の展開とはいえないのだ。

ところがディープインパクトは今回ラストランでギリギリまで脚をため、その暴力的なまでの瞬発力を最後に解き放った。時計のかかる冬の中山で33.8(特に仕掛けてからのバルクを交わしていった瞬発力)は驚異的としかいいようがない。本来不安の残る流れになったにも関わらず、その瞬発力ですべてを撫で切ってしまったのである。確かに、各騎手たちがディープインパクトを本気で負かすために今回のような展開を生み出したのかどうかは疑問が残る。ただ、あまりにディープインパクトが強すぎたがために、必要以上に他の馬がまわってきただけのように見えたのではないのだろうか。少なくとも決して今年の有馬記念はこれまでのディープにとって、お望みの展開ではなかったのは確かだ。

ライトファン、ミーハーファンへの苦言

とにかくディープインパクトとセットに語られたのが、自称年季の入った競馬ファンからのディープインパクト祭りへの苦言である。確かに主催者がディープフィーバーを煽る為に施したさまざまなイベントがセンスのないものであったのは認めざるを得ない。ただしその非はあくまでその煽り方が競馬本来の魅力を伝えるには足りないものであったからである。競馬は本来は1頭の主役だけで行えるものではない。これまでの歴史、それぞれの馬たちの物語があるからこそ、ディープは光り輝いていた。そのことを伝え切れていなかったのは残念である。しかしディープを利用して、競馬を盛り上げようとするのは何も間違ったことではない。ではディープ祭りを嫌悪し続け、ミーハーを馬鹿にした自称年季の入った、真の競馬ファン名乗る人々は競馬を盛り上げるためにいったい何をしたのだろうか。

もし競馬が好きで愛しているのであれば、主催者の間違ったメッセージをさりげなく訂正してあげればいい。ディープファンが馬券を買わないから、迷惑だなどと考えるのは愚かすぎることだ。0から競馬に興味を持った彼らにそっと、ディープインパクトだけではない魅力を伝えてあげればいい。ヘンな言い方になるかもしれないが、彼らはまだヨチヨチ歩きの赤ん坊ファンに過ぎない。競馬場でのお作法、馬券の面白さ、脇役の物語、血統の魅力それを教えてあげるのが先輩ファンのオトナの努めである。競馬には色々な楽しみ方があり、その多様性が競馬の面白さ、魅力を底上げするのである。それを自分の競馬観にそぐわないからといって敵視するのはばかげたことだ。それでは、バカにしているミーハーと彼らは何も変わることはない。競馬は予想→結果という極めて個人の中で自己完結性の高い娯楽である。だからこそ多様性が生まれるのであるが、全体から考えると自己完結性が高すぎ、各自で閉じてしまう危険性をもっと意識するべきだ。そのような狭い視野から競馬を見続けてしまっては競馬を緩やかな死に導くだけである。ディープフィーバーという自己完結性の高い競馬に訪れた、めったにない周りを巻き込む力を持つ祭りをもっと意識するべきだし、各々の競馬ファンを主催者によりかかり、批判するだけでなく、各自がもっと競馬を語り、周りを巻き込むべきではないだろうか。日本の競馬には競馬の魅力を大衆に伝えることが出来る語り部が少なすぎる。

金子オーナーの苦しみ

ディープインパクトの偉大さの一つは、早期の段階で競走能力の歴史的高さを知らしめたにも関わらず、目標としたレースにすべて出走し、完走したことにもある。しかし早々と栄光と名誉を手にし、競馬会の至宝となってしまった同馬をレースに出し続けた関係者のプレッシャーは今なお想像の及ぶところではない。引退式での金子オーナーでの言葉、「来年もディープの勝負を見るには私のハートは小さすぎた」という言葉は数々の名馬を持ち続けた金子オーナーを以ってしても、ディープインパクトの馬主であるという重さ、恐怖は耐え難いものであったことを物語っている。そう考えると、いまだ記憶に残り、誰もが思い出すのはサイレンススズカの悲劇だ。あの時の絶望感、喪失感ショックは今なお僕個人のトラウマにもなっている。あの時はすぐ下の世代にスペ、グラ、エル、セイウンスカイなどのタレントも揃っていたので、その傷は徐々に癒された。だがディープが走るのを見るたびに、いつ予後不良になるやもしれぬという怯えのようなものは、ただの競馬ファンである自分にも存在していたのだ。ましてやオーナーともなれば、走ることそれ自体が苦痛にもなっていただろう。そのような重さ、プレッシャーが「私のハートは小さすぎた」という言葉に集約されているように思える。という関内関外日記さんに全面同意の感想。

海外遠征から見えてくる日本競馬にとってのターニングポイントとなった2006年

2006年12月13日 yuta | | コメント(0) | トラックバック(1) | はてブに追加 海外遠征から見えてくる日本競馬にとってのターニングポイントとなった2006年

今年の海外遠征をまとめてみる<りあるの競馬日記>
2006年の海外遠征を振り返る<殿下執務室2.0 β1 >
海外遠征を振り返る <REVERY_L_ELEKTRA: Anotherside>
こっちに書く<うま(かもしれない)さいと>
【朝日杯FS】転換点を迎えた日本競馬を象徴する結果となった2歳G1<Brain Squall 【競馬ニュース&コラム】>

一足先に香港で終わった2006年の日本馬の海外遠征キャンペーンについて。結論から言えば、朝日杯回顧で述べたとおり、今年は日本競馬にとってのターニングポイントイヤーとなったといっていいのではないだろうか。それは言い換えれば、サンデーサイレンスの残した遺産を日本競馬がキチンと受け継いでいる証を残せたということであると定義したい。

振り返ればサンデーサイレンスの残した遺産は非常に大きなものであった。サンデーサイレンスが導入されなければ、日本競馬は世界から10年取り残されていたといっても過言ではないだろう。それは大きく分けて二つの面からである。一つは歴史的な種牡馬を自国に繋養できたことによるサラブレッドの能力自体の向上。そして能力向上、層の厚さの向上による海外遠征の人の経験値の蓄積である。

2006年はその2つの面において、その遺産を受け継いだ戦果を残したといっていい。前者においてはハーツクライ、ディープインパクトによる2400m王道路線におけるパフォーマンス、後者はユートピア、コスモバルクの海外における勝利があげられるであろう。しかしターニングポイントイヤーであるというのには、それだけでは足りない。2つの戦果を究極に象徴するのはデルタブルースのメルボルンカップ制覇である。

ハーツクライ、ディープインパクトの遠征は現時点における日本競馬最高傑作レベルの馬が、「日本馬として普通に欧州最高峰に挑む」というテーゼに対して、ある程度の結果を残した。確かに3着(失格)という結果は最高の結果とはいえない。ここで勝っていれば、ある意味日本競馬のアガリを示すことさえ出来たかもしれない。しかしエルコンドルパサーのような「欧州仕様」でも「外国産馬」でもない彼らが、人気の一角としてレースに挑み、その人気に恥じないレースをしたということは、ちょっと前までは想像さえつかなかった事実である。この事実はSSという血を手に入れた日本競馬がそのTOPクラスの馬においては、能力面において、世界の王道路線に対してもイコールに近いレベルにあるということを現している。

またコスモバルク、ダンスインザムード、またはアドマイヤムーンの2着という結果は、海外遠征という経験値をすでに日本の競馬人が充分に持っているという証に他ならない。日本においてはTOPとはいえない彼ら(彼女)が国内でのローテーションと地続きの海外遠征において、結果を出したという事実は、すでに日本産馬がどのレベルにおいても、海外に通用する可能性があるということだけでなく、人の面においても充分なレベルに達した結果、SSという化け物種牡馬を抱えた日本競馬界がそのポテンシャルを生かしてこれた証であるといってもよいのではないだろうか。

そしてその2つを併せ持った2006年の最大の戦果はデルタブルースのメルボルンC制覇であると考える。日本の競馬の歴史と伝統を体現している3歳クラシック、しかも菊花賞を親子で制覇した馬であり、サンデーサイレンスの孫である彼が、オーストラリアの歴史と伝統であるメルボルンカップを勝ったという事実。それはサンデーサイレンスが残したサラブレッドの能力、競馬人の経験値の蓄積という2つの遺産を受け継いだ輝かしい勝利であるといえよう。そしてそれは、日本競馬のターニングポイントといってもいい事実だ。

このように考えるとサンデーサイレンスの導入そのものが日本競馬の一つ目のターニングポイントであったともいえる。そしてメルボルンカッブ勝利に代表される海外遠征のパフォーマンスにより、ブレイクスルーの先が見えた2006年はやはり日本競馬のターニングポイントイヤーであるといってもよいのではないだろうか。もちろんだからといって、日本競馬が次のステージで簡単にやっていけるというものではない。上記2つの面において、ディープインパクトが3着に終わってしまったこと、そして陣営のミスによる薬物失格という事実が起きてしまったことを考えると、あくまでギリギリ合格といったところだ。また日本競馬の抱える構造上の問題(地方競馬、馬産地、東西格差etc...)は何も解決されていず、せっかくここまで来た日本競馬をあっというまに後退させてしまう地雷はそこかしこに埋まっているのが現状だ。

しかし日本競馬が「ある程度の域に達したからこそ見えてきた「難しさ」@殿下」を顕在化させることが出来るステージまであがってきたのは紛れも無い事実だ(そういう意味で2006年のパート1国入りははかったようなタイミングではある)。ディープインパクトというスターホースの退場を残念がっている暇は無い。ターニングポイントイヤーを迎えた今こそ、日本競馬が抱えるポテンシャルと問題点を冷静に見つめ、ファンも主催者もこの先の舵取りを考えていかなければならない時期にきているのであろう。

正直薬物の問題なんてどうでもいいんだけど

2006年10月22日 yuta | | コメント(6) | トラックバック(1) | はてブに追加 正直薬物の問題なんてどうでもいいんだけど

本質的なことを言えば、今回ああいうエントリを書いたのは薬物どうこうという問題ではなくて、トラセンに来るエントリが面白くねーと書いたことに対する続き。具体的に言えば、トラセンにトラックバックしてくる競馬blogはこのままでいいのか?という苛立ちみたいなもの書かせたといっていいもの。トラセン自体は競馬blogを集中させるという目的においては、今なお十分機能してるとは思うんですよ。ただその先、閲覧者が読みたい競馬blogがそこにあるかと問われたならば、現状はNOとしかいいようがない。で、それをクリアするためには、一つには手動で選別をはかるしかないのだけれど、手間もかかるから非常に難しい。で、もう一方の問題、選別するにしても、果たしてトラセンにトラックバックしてるblogがどこまで読み手のことを意識しているのか。もっとキワドイ言い方をすれば、wwwに文章を公開するということは、全世界に自分の無知をさらけ出す危険性があるということ。それに対して、どこまで意識があるのか。もしかしたらどこかでコイツなーにバカなこと言ってるんだか、と笑われてるかもしれない。頭悪いなーと思われてるかもしれない。出版と違って、自己表現のハードルが下がった分、それだけチェックが甘く、自らの不見識をさらけ出すかもしれないということ。そのことを全く意識してないで、書いているblogが多すぎる、意識してないくせに、トラセンにトラックバックしてきて、「もっと見て!もっとアタシを見て!@アスカ」と叫ぶblogが多すぎるんですよ。


一応訂正を入れておきますが・・(アホらしいので書きませんでしたが)そりゃ治療薬は仕方ありませんよ。そんな事は誰でも解かる事です。ここに突っかかってきた方がおられたので一文を追記しておきます
<中略>
と、わざわざトラックバックしてまで批判してくれた方がいらしたのでw少し自分の考えをくどく書かせて頂きました。
<中略>
当然ながら僕の呟きに関しても同じ事が言えます。一応他の様々な価値観についても某所で一通り目を通して理解しているつもりです。要約すると苦情は受け付けませんという事ですw
競馬ステーションNEO:ディープインパクト禁止薬物検出・続報 - livedoor Blog(ブログ)

自分の文章をいちいち書いてないことまで考えて、読んでくれると考えること自体が甘いんですよ。もしそうして欲しいなら、自分の本質的な意見がどこにあるのかを少なくとも明示しないと読み手はわからない。そもそもこのサイトどのエントリも構造的に引用が多すぎて、何が書き手の言いたいことなのかがさっぱり伝わらない。引用&感想の繰り返しでエントリが終了している。さまざまな価値観を提示しましたといえば聞こえはいいかもしれないけど、読み手は混乱して当たり前の文章構成。情報を集約するにしてはリンクが散乱してるし、あいだで管理人の感想が無造作にちりばめられてるし。そういう構成で読み手の俺の言いたいことを理解しないお前が悪いと言われても正直困る。もし読み手に誤解して欲しくないのなら、それ相応の文章力をつけるべき。最低限の構成力が足りないのに、苦情は受け付けないといわれても。挙句の果てに間違いを指摘されてアンチ認定とか、トラックバックで批判が来るという至極当たり前のことにいちいち反応していたら、ウエブに文章を公開することに対しての認識が甘すぎるとしかいいようがない。



そこまでこのニュースをおっかけて正しい情報を掴んでいる人ばかりじゃないと思うんですよ。そういう人はきっと発表のあった翌日のスポーツ新聞かなんかを読んで、「ディープって禁止薬物を使ってたんじゃん」ってところで終わっちゃう話なんじゃないかなーって。今まで10数戦バレない秘密の薬を使ってるとかじゃなくて(笑)、バレないとこで何かやってんじゃないの?って思って話が終わっちゃった人だって多いんじゃないかなと。
<中略>
むこうが「残されたか残されてないかどう思ってるか」の方が大事だと思うんですよね。将来ダービーとか天皇賞が外国馬に完全開放されて、どっかの国のスーパーホースが来るってんで総力挙げて協力したのに、来た客はバカ騒ぎするわ、禁止薬物は使ってたわ、トップは結論が出てないとか言ってこちらに対して謝罪はないわ、ではどうにもならないんじゃないでしょうかね。
※コメント欄から

多いんじゃないかなと思ったとして、なぜあのような書き方になるのか。どう考えても薬物使用とこれまでのレースぶりは、今回が故意でないのだったら、関係のない話のはず。にも関わらず、常識はずれのレースぶり=薬物使用と考えることは、さも当たり前のような文章展開が理解に苦しむわけで。治療目的でイプラトロピウムを日本で常用していたとしたら、それはどの馬も条件は同じ。なぜディープインパクトだけが、その恩恵を受けていたのか。事実がわからないままに、それを追認するような、読者をミスリードするような文章を書くことに問題があるのではないかという批判なわけで。

またフランスギャロは汚点だというような言い方は今のところしていない。イプラトロピウムの使用自体は禁止しているわけではない。ルールはルールだとしか言っていない。結論が出ていない状況で何を謝罪すればよいのか。上記のような誤解が生まれかねない状況でいきなり今回の件を早々と汚点だと決め付けることは組織のトップとして本当に正しいのか。まあこの発言に関してはさまざまな意見がある。だが、今回理事長はディープインパクトの薬物使用件について、コメントしたわけで。それを勝手に観客のバカ騒ぎと結びつけて勝手に納得するのは想像力が豊か過ぎるのではないだろうかと指摘したい。今回の引用でこちらが指摘したいのは、勝手に関係ないことを結びつけて結論を出すのはミスリードではないか?というものなのですよ。

※コメント欄の引用は当人かどうかわからないし、危険なんでは?という指摘をいただいたので、とりあえず消しておきます。確かにそれは全く考えてなかった。

で、わざわざここに挙げたサイトの方には悪いがしつこく突っ込んでるのは、冒頭に述べたように、あまりにも読み手に対する意識が希薄ということに対する問題提起という意味が大きい。さらに何故このような状況が生まれるかというとこまで突っ込んでみるとMARIUSさんが述べているように、競馬blog・・・というより、競馬に関わる文章全体に関わることだが、記事が異様に予想に偏ってることが原因なんだろうなと。予想というのはどうしても、ケチをつけづらい。結局どんなに破綻した予想をしたところで当たったもの勝ちという文化があるだけに、他者の予想に対して意見を言うのは難しいところだ。これが回顧ならば意見の交換は可能。だがそれだけに書くためのハードルは高い。結果としてどうしても言いっぱなしで済む予想記事ばかりが溢れるという図式。が、改めて言うまでもないが、人が読んで面白い予想なんてほっとんどない。しかも他者からのツッコミがないから、いつまでたっても記事のレベルがブラッシュアップされない。ゴミ記事が溢れるという構造的な問題が競馬blogにははびこっているのが現状なのかなと。それに対する一つの抵抗としての今回のツッコミなのですよ。

ま、それとは別に競馬情報のインプットスキルの低さというものも現状は見受けられるのも感じられる。競馬blog書いてる人、読んでる人でタブブラウザ、RSSリーダー、ソーシャルブックマークなんてものを使いこなしてる人がどれだけいるのかというと、かなり疑問なところ。てなわけで、そゆとこの補完として、現在トラセンで色々企画を考えてたり。ま、近々始動予定ということで宣伝で最後締めてみるw

※トラセンは私の一存で動いてるわけではないので、ここで企画どうこう言ったのは不適切でした。私単独がトラセンに関わってるスタンスとして、この流れがあるよということで、他の関係者の方はまた別の思いでやってるかと思われます。勢いで書いたとはいえすいません。

ディープインパクト禁止薬物検出が教えてくれること

2006年10月21日 yuta | | コメント(3) | トラックバック(1) | はてブに追加 ディープインパクト禁止薬物検出が教えてくれること

ディープインパクトの禁止薬物検出について改めて。前日の記事とほとんど状況は変わってはいない。改めてまとめてみると、

・問題のイプラトロピウムは気管支拡張剤。
・日本では禁止薬物ではない。
・ヨーロッパの場合、「体内に存在しない全ての物質」を禁止薬物の対象としている。
・薬自体は向こうでは一般的に調教時に使われるものであるらしい。
・基本的にレース前には体内から排出される前に逆算して使うのを辞める
・ただし過去にこのような薬で代謝の関係で製薬会社のガイドラインを守っても、レースまで残って失格の例はある。
・ちなみに人間のドーピング薬物にも指定されていない。

さらに今日の時点で付け加えるとすると、

・フランスの獣医の処方の元にレース前に使用していた。(フランスギャロ)
・獣医は一週間前に辞めるように指示したと主張。(フランスギャロ)
申請さえあれば8時間前でも使用は可能(これはソース微妙)

という感じ。原因として考えられるのは、

・陣営が投薬を辞めるタイミングを誤った。
・辞めたのに予想されているよりも残存期間が長かった。

といったところか。ここで改めて書いてきたいのは陣営を庇うことは出来ないけれど、それは【現時点においては(21日16;56追記、これで故意&不正だったら泣く)】「イージーミスを引き起こしたから」であって、「不正を行おうとしたから」ではないということ。前者については、正直甘かったとしかいいようがない。陣営(これは遠征をバックアップしたJRAも含む)が日本の最強馬を異国のレースに出走させるにあたって、このようなミスをしたのは批判されてしかるべきだろう。だがこれを後者と混ぜて批判したら、見識を疑われるとしかいいようがない。イプラトロピウムを使用すること自体はフランスではルールに則った行為。日本では禁止薬物にさえ指定されていない。したがって、イプラトロピウムが検出されたことが過去のディープインパクトの競争成績に影響するなどと考えることはありえない。

つーか今日び人間のアスリートだって、喘息もちで気管支拡張剤使いながら、トップレベルで活躍してるのは常識だろう。こんなことくらい、ちょっと調べてみればわかること・・・にも関わらず、それすらも調べないで電波ゆんゆんな記事ばかりなのだから、笑うしかない。昨日理事長のコメントがありえないと更新したのも、この2点を混同させるような発言だからだ。たった一度のミスで今までの積み重ねが崩壊しかけるということをディープは教えてくれているというのに、なんでこんな不見識な・・・というような記事多すぎ。というわけで最後にディープインパクト薬物疑惑に関わる不見識記事リンクw

ディープインパクト 再挑戦が汚名そそぐ道だ<毎日新聞>
※まずは全国紙行ってみよう。「当代一の人気馬が薬物で汚染されていた。」から始まるお花畑記事。「海外で規制されている薬物を、日本では野放しにしている現状も直ちに改めなければなるまい。世界で最も厳格な規定に作り直すことが出直しの第一歩だ。」「ディープインパクトのオーナーはレース後の11日、今年限りでレースから引退させると電撃発表して競馬ファンを驚かせ、また落胆させた。その引退発表と、今回の薬物検出とは何か関連があるのだろうか。」あるのだろうか、じゃねーよwwwこれが社説というのだから、毎日新聞恐るべし。

日本最強馬 憂愁<東京新聞>
※この記事が凄いのは「だが、治療のためとはいえ、日本よりも禁止薬物に厳しいフランスでイプラトロピウムを使用したとされることに、認識の甘さがうかがえる。」と書いておいて、後半で「本紙の取材に「呼吸促進などのため故意に摂取させるドーピングに当たるかどうかは調査中だ。今のところ獣医師がディープインパクトの健康問題を解消するために使った可能性があり、ドーピングではないかもしれない」と説明した。」とか書いてる統一感のなさ。まるでザ・ワールドを食らったポルナレフの心境。

ディープインパクトに禁止薬物? なんだそりゃ
※最近電波の気配がしてたCB'S PRJECTの成沢大輔氏。やってくれましたよ。ドバイのブラスハットは2着入線ですが・・・。「世界的な反ドーピングの傾向」とか意味がわかりません。挙句の果てに「ともあれ、ますます日本競馬は劣化していると認識せずにはいられない事件だ。」なんかもう、コメントするのもバカバカしくなる気分ですね。

僕の2年間は何だったんだろうとディープが泣いているよ<うまうまライフ>
※「正直に言えば私もこの話を最初に聞いた時は、「やっぱりそうだったのか」と思ってしまいました。例えば今年の天皇賞・春など3200Mのレースでありながら、「14-14-4-1」という強引な捲りを打った上で33.5で上がってきましたし、昨年の菊花賞にしても次位のそれを1秒近く上回る33.3を記録しています。距離を考えればあまりに常識外れの内容ですし、今回の騒動を見れば「!」と思われても仕方がないでしょう。」10戦もして一回も引っかからない秘密の薬を池江厩舎は使っているらしいです。それだったら、サイレントディールあたりも、もうちょっと何とかなったんじゃない。つーか日本の公正競馬、ドーピング検査舐めすぎw 「それにも関わらずこちらはと言えば、ルールを無視した大量のレープロ強奪行為や、場の空気をわきまえない大騒ぎなどで、内外から大きな批判を浴びた上に今回の禁止薬物使用騒ぎ。フランスの伝統と誇りである凱旋門賞の場に「汚点を残した」と指摘されても、仕方のないことではないでしょうか。」関係ない。頭が痛い。

ディープインパクト禁止薬物検出・続報<競馬ステーションNEO>
※「しかしレース後に検出されなければ問題は無かったとか、当日までに体内から消えていれば問題にならなかったとか、根本的にはそういう話では無いと思うんですけどね。(※検出されなければ何でもOKという価値観は違うだろという事です)」根本的にそういう話です。これを認めないと治療薬が一切使えなくなるじゃん。

というわけで、珍しく色々とツッコミを入れてみた。結局ちょっとしたミスが、これまでの努力を無駄にする可能性があるということで、このようなミスを犯した池江厩舎も、事実誤認をさせるような不用意な発言をした理事長も、脊髄反射で調べもしないで全世界に不見識をさらした新聞記者もブロガーもみんな反省しようねというオチ。きっとBrainSquallもくだらないミスがあるので、先に反省しておきます。

日本競馬を背負ったディープは負けたけど、日本競馬が負けたわけではない

2006年10月 2日 yuta | | コメント(1) | トラックバック(3) | はてブに追加 日本競馬を背負ったディープは負けたけど、日本競馬が負けたわけではない

ショック覚めやらぬ凱旋門賞翌日。反応集でもまとめながら、昨日の続きを少々。