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3歳馬好タイム連発についての考察
2006年1月11日 yuta | 個別ページ | コメント(3) | トラックバック(1) | はてブに追加
すでにいくつかのブログで触れられているが、今年の3歳世代のレースは好タイム連発が目立つ。単純に今年の3歳馬のレベルが高いということも考えられるが、もう少し考察をしてみたい。好タイムが連発されるということはラップに注目するべきだろう。ここで芝1800m以上の2歳中距離重賞の過去5年間のラップを見てみる。赤は12.5以上のラップ、最後のカッコは勝ち馬の位置取りだ。
ラジオたんぱ2歳S
05年:12.3-11.3-12.7-12.7-12.3-12.9-12.4-11.9-11.7-11.7(9-9-9-7)
04年:12.9-12.4-13.5-13.4-12.7-12.5-12.1-11.4-11.1-11.5(2-2-2-2)
03年:12.6-11.6-12.3-13.0-12.8-12.5-11.9-11.8-11.4-11.7(1-1-1-1)
02年:13.1-11.5-13.2-12.9-13.4-12.9-12.2-11.7-11.4-12.2(2-2-2-2)
01年:12.8-11.4-13.2-13.0-13.0-12.7-12.2-11.7-11.6-11.8(2-2-2-1)
東スポ杯2歳S
05年:12.7-11.2-11.8-12.2-12.6-12.4-11.6-11.0-11.4(1-1-1)
04年:12.7-11.3-11.5-12.1-12.7-12.9-11.3-11.7-12.0(13-11-11)
03年:12.0-11.4-12.0-12.7-12.9-12.8-11.5-11.7-11.9(14-13-13)
02年:12.8-12.4-12.6-12.3-12.2-12.4-12.1-11.6-11.8(5-4-5-6)
01年:12.6-11.3-11.7-12.2-12.0-12.0-12.0-12.1-12.3(10-11-11)
札幌2歳S
05年:12.4-11.9-12.2-12.4-12.7-12.8-11.9-12.1-12.0(6-7-5-2)
04年:12.2-11.4-11.8-12.1-12.9-12.1-12.1-12.4-12.9(1-1-1-1)
03年:12.6-12.6-13.4-13.7-13.6-12.8-11.9-11.8-11.7(1-1-1-1)
02年:12.3-11.8-12.9-13.0-13.3-12.7-12.2-12.0-11.5(5-5-8-6)
01年:12.3-11.6-12.5-12.7-12.7-12.1-12.0-12.4-12.6(11-12-12-6)
さらにラジオたんぱ杯2歳Sのラップをグラフにしてみると次のようになる。
これらのラップ、去年の2歳戦の印象からわかることが2つある。一つは「今年の3歳世代のレースはラップが比較的緩急のない流れになっている」ということだ。わかりやすいのはラジオたんぱ杯2歳S、札幌2歳Sだ。アドマイヤムーンの連続好走の一つの理由でもあろう。そして2つ目は「そのような流れにも関わらず押し切ってしまう馬が多い」ということ。東スポ杯2歳Sは比較的例年ラップは厳しくなりがちだが、注目すべきは勝ち馬の位置取り。今年はこのような緩急のない厳しい流れにも関わらず行った行ったで決まってしまった。では何故このような現象が起きるのか。例年と今年の3歳世代の違いとはなんだろうか。
ここで思い当たるのはSS産駒の不振、頭数減という現象である。例年なら今の時期ともなればSSの有力馬が次々と出てきているものだが、今年はまだまったくといっていいほどSS産駒で活躍馬が浮かばない。SSが現3歳世代の種付け時にすでに体調不良であったことが理由であると思われるが、では何故SS3歳世代の不振が「緩急のない流れ」「それでも押し切ってしまう勝ち馬」を生み出すのか。これはSS産駒の特性を考えてみれば説明がつく。SS産駒はミドルスローの流れを後方から追走し、ラストの直線で末脚を爆発させることでその能力を最大限に発揮する。しかしSSが少ない、不振な今年はそのような競馬をしようと考える騎手が少ない。それがために全体的に積極的な競馬になりがち→ペースに耐え切れない馬から脱落→末脚自慢のSSが不振なために追い込んでこれる馬がいない→前に行った馬が残る。というサイクルになるのではないだろうか。このように考えれば上記2つの現象が飲み込める。
さらにもう一つ気になる要素がある。クロフネ産駒の存在だ。先日ボロ株観光TVのいわしさんとのメッセ中にいわしさんも指摘したことだが、クロフネ産駒は緩急のない比較的速い流れにやたら強い。フサイチリシャールをイメージすればわかるがスムーズに走ると本当に止まらない。これはSS産駒とは逆ベクトルの特性である。このグループにはグラスワンダー産駒、エンドスィープ産駒も入るであろう。このような特性を持った有力馬がいるが上にさらにSSがその能力を発揮するのが難しくなっているのではないか、厳しいラップからの好タイム連発につながっているのではないかということも考えられる。
もちろん今年の3歳のレベルが高いという可能性も非常に高い。だがやたら好タイムが連発される背景にはSS産駒がいなくなるという日本競馬の転換点があるのではないか。今後SS産駒がいなくなったときの日本競馬の風景は今の3歳世代のレースぶりに示唆されているように思えてならない。個人的な嗜好で言えば今の3歳世代の競馬は面白い(グラスワンダー産駒も活躍できるし)と思うので、この調子でさらに芝も長めにして欲しいくらいだ。数年後が楽しみである。
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コメント(3)
らべる :
初めまして。
以前から記事は覗かせて頂いておりましたが、あまりにも興味ある内容で、ついコメントさせて頂きます。
今年3歳に見られる、よどみない流れのレースというのは非常に面白いですね。
SS産駒が後方からバッサリというのは一見派手ですが、淡白な印象もあったりで。
このようなレースの流れの変遷と共に、ステイヤー血統にも陽が当たってくると面白いなとも感じています。
てなわけで、今後も興味深い記事で楽しませて頂けることを期待しております。勝手な希望ですが。。。
ゆたゆた :
はじめまして。コメントありがとうございます。
今年の3歳戦は結構シビアなレースが続いてる印象があります。去年のJC、有馬を見ても、やはりよどみない流れのレースというのは比較的各馬の序列がハッキリするイメージがあるだけにこういうレースは個人的には好みです。血統もバラエティに富むといいですねえ。
毎回面白い記事が書けるとは限りませんが(笑)今年もよろしくおねがいします。
馬砂雪 :
ゆたゆた様お久しぶりです。
以前TBさせてもらいました馬砂雪と申します。
シンザン記念のあたりから「アレ?」と思っていましたがこのブログのシンザン記念回顧と当記事を読んで、今の3歳馬たちのタイムやペースについてなるほどと納得させられました。いつも鋭い着眼点、恐れ入ります。
クロフネ産駒は平均以上のペースで自分から動いて早めに押し切るというのが最も得意パターンなので、そういう馬の産駒が活躍していくことで今後は日本競馬のスタンダードがシフトしていく可能性がありますねぇ。
個人的にそういう競馬は好きなのでちょっと楽しみだったりしています。
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